Last updated on August 22, 2016

エゾコゴメグサ - 蝦夷小米草

Euphrasia maximowiczii Wettst. var. yezoensis (H.Hara) H.Hara ex T.Yamaz.

エゾコゴメグサ全体

北海道では太平洋側に多く分布するエゾコゴメグサ

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Tomakomai City in Late September, 2015

エゾコゴメグサ全体

環境によって背丈が大きく異なります

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Shiraoi Town in Late September, 2013

エゾコゴメグサ生育環境

山で見るものは小さめの印象…どこに咲いているかわかります?

Canon EOS5D + TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
Mt. Apoidake in Mid August, 2012

エゾコゴメグサ花

茎に白い軟毛が多く見られます

Canon EOS7D + TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
Shiraoi Town in Early October, 2012

エゾコゴメグサ花

花冠は2唇形でカラフル…訪花昆虫にはどのように見えているのだろう

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Shiraoi Town in Late September, 2013

エゾコゴメグサ全体

ある程度の高さになると対生状に枝分かれする傾向が

Canon EOS5D + TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
Mt. Apoidake in Late August, 2009

エゾコゴメグサ全体

小さいながらも晩秋を彩る一員です

Canon EOS7D + TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
Shiraoi Town in Early October, 2012

蝦夷小米草 - エゾコゴメグサ

- ハマウツボ科 コゴメグサ属 -

北海道および本州北部に分布し、山でも見られますが、海岸近くの草地などで見かける機会が多い印象のエゾコゴメグサ Euphrasia maximowiczii var. yezoensis。北海道では主に太平洋側に分布が偏り、和名に表されている通り米粒のように小さな花ですが、よく見ると薄く赤みを帯びる上唇と、白地に目立つ黄斑を持つ下唇との組み合わせは意外と華やかで、小さいながらも晩秋を彩る一員です。

コゴメグサ属には様々な種があり、見分けもなかなか難しいのですが、北海道ではこのエゾコゴメグサの他に、千島列島、礼文島および根室に分布し、より花が大きいが中間型も見られるというエゾノダッタンコゴメグサ E. pectinata var. obtusiserrata や、2007年に知床半島で発見され、全体小型で花は黄色、葉の裂片が鈍頭のチシマコゴメグサ E. mollis が分布しています。黄色い花、一度見てみたいものですねぇ…。

ちなみに本州以南に分布する母種のタチコゴメグサ E. maximowiczii とは姿がよく似ていて、エゾコゴメグサは白毛が多いことや苞葉の鋸歯先端が芒状にならないことなどが違いとされますが、果たして変種に分けるほどの違いはあるのだろうか…いつか実物を見比べてみたいものです。

【 参考文献 】

原實 (1936)「東亜植物考(其の十)」植物研究雑誌 12(3), pp.164-175, ツムラ.

Hinoma, A. 2000. FLORA OF HOKKAIDO - Distribution Maps of Vascular Plants in HOKKAIDO, JAPAN. [ http://www.hinoma.com/maps/plants/m8840pa.gif ] (accessed August 18, 2016).

Ohwi, J. 1965. FLORA OF JAPAN in English: 806.

高橋英樹・岩崎健 (2008)「知床半島の植物相調査」平成19(2007)年度 知床世界自然遺産地域生態系モニタリング調査業務報告書, pp.129-140, 知床財団.

梅沢俊 (2009)『新版北海道の高山植物』p.56, 北海道新聞社.

梅沢俊 (2012)『新北海道の花』p.99, 北海道大学出版会.

梅沢俊 (2014)『北海道山の花図鑑 利尻島・礼文島』p.112, 北海道新聞社.

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