Last updated on February 9, 2017

オミナエシ - 女郎花

Patrinia scabiosifolia Fisch. ex Trevir.

オミナエシ全体

秋の七草の一つとして古来より親しまれているオミナエシ

Canon EOS5D + EF50mm F1.4 USM
Tomakomai City in Mid August, 2013

オミナエシ全体

海岸草原のような日当りの良い環境で見られます

Canon EOS7D + COSINA Carl Zeiss Planar T* 1,4/50
Shiraoi Town in Mid August, 2016

オミナエシ花序

茎は上部で散房状に分岐し花は平らに集まってつきます

Canon EOS7D + EF200mm F2.8L II USM
Tomakomai City in Mid August, 2013

オミナエシ花

花冠は径3〜5mmほどで先が5裂しまるで星のよう

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Shiraoi Town in Mid August, 2016

オミナエシ花

花柱は1本&4本の雄しべは花冠から突き出しています

Canon EOS7D + EF200mm F2.8L II USM
Tomakomai City in Mid August, 2013

オミナエシ花

花冠筒部は短く小苞が密接していますが見づらいかも

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Shiraoi Town in Mid August, 2016

オミナエシ花

おなじみモンキチョウが訪花していました

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Tomakomai City in Mid September, 2016

オミナエシ葉

葉は対生して羽状深〜全裂し特に頂片が大きいですね

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Shiraoi Town in Mid August, 2016

オミナエシ全体

海に近い草原などでは草丈が低くなる傾向

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Shiraoi Town in Late July, 2016

女郎花 - オミナエシ

- スイカズラ科 オミナエシ属 -

秋の七草の一つとして有名なオミナエシ Patrinia scabiosifolia。ただし北海道では、本州以南の方々が感じているであろうメジャーな存在感はありません。分布域もどちらかというと北海道の南半分、特に太平洋側で多く自生している傾向があります。山地の林道脇など、やや日影でも見られる白花の オトコエシ P. villosa に比べ、日当りの良い開けた環境が好みのようです。海岸草原はオミナエシにとってまさに日当り良好な物件らしく、草原の中で点々と黄色い花序を自己主張している様子が見受けられます。しかし風当たりが強いせいなのか背丈は低く、ときに50cmに満たないものも見られます。かと思えば少しでも内陸に入ると、すらりと背丈が伸びておなじみの姿を見せています。道東の海岸草原ではまるで高山に産する チシマキンレイカ P. sibirica のように背の低いものも多いとか。同じく黄花でやや似ている マルバキンレイカ P. gibbosa は山地の岩場やその周辺を好み、同属他種のように葉が羽状深裂せず、花冠にごく短いながらもわかりやすい距を持つ特徴があります。

オミナエシという不思議な和名は平安時代から使われていたようで、その由来については諸説あります。オミナエシの黄色い花を女性が食べる粟飯に喩えた“をみなめし”から転訛した、あるいはオミナエシもオトコエシも中国名で「敗醬」と呼ばれることから女敗醬が“女へし”への転訛である、または“へし”は古語の「圧し」で“をみなへし”は女に勝る美しさがあるという意味から、さらに女郎花とは臭いが女郎の化粧のように強いから、などなど。個人的にはいずれの説も決定打に欠けるような気がしますが…。

【 参考文献 】

畔上能力・菱山忠三郎・西田尚道 (2013)『増補改訂新版 野に咲く花』林弥栄・門田裕一監修, p.503, 山と渓谷社.

Hinoma, A. 2005. FLORA OF HOKKAIDO - Distribution Maps of Vascular Plants in HOKKAIDO, JAPAN.
[ http://www.hinoma.com/maps/plants/m9216.gif ] (accessed January 10, 2017).

Hong, D. Y., F. R. Barrie and C. D. Bell. 2011. Flora of China 19: 664,
[ http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=242336261 ] (accessed January 11, 2017).

高橋勝雄 (2004)『山渓名前図鑑 野草の名前 秋冬』, p.90, 山と渓谷社.

東邦大学薬学部付属薬用植物園 (2013)「東邦大学薬学部 薬用植物園 見本園 オミナエシ」
[ http://www.lab2.toho-u.ac.jp/phar/yakusou/mihon/ominaesi.html ] (参照2017-02-08).

梅沢俊 (2012)『新 北海道の花』p.34, 北海道大学出版会.

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