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オオマルバノホロシ - 大円葉保呂之

Solanum megacarpum Koidz.

オオマルバノホロシ全体

いかにもナスの仲間という姿のオオマルバノホロシ

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Sapporo City in Early August, 2013

オオマルバノホロシ全体

つる性というほどではありませんが茎はよじ登る性質が

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Sapporo City in Early August, 2013

オオマルバノホロシ葉

葉は互生し卵形〜狭卵形の全縁で柄があります

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Sapporo City in Early August, 2013

オオマルバノホロシ花

数回分岐するまばらな集散花序に紫色の花をつけます

Canon EOS5D + TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
Sapporo City in Late August, 2009

オオマルバノホロシ花

花は径1cmほどで花冠は5深裂し裂片が反り返ります

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Sapporo City in Early August, 2013

オオマルバノホロシ果実

液果は径1cm弱の楕円形で長さは1.5cmほど

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Sapporo City in Early August, 2013

オオマルバノホロシ果実

緑色の幼果実はやがて熟すと見事な朱色になります

Canon EOS5D + TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
Sapporo City in Late August, 2009

オオマルバノホロシ果実

自家受粉可能なのかな?結実率は高い印象

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Sapporo City in Early August, 2013

大円葉保呂之 - オオマルバノホロシ

- ナス科 ナス属 -

ナス科ナス属ということで、おなじみ食用のナスと同じ仲間のオオマルバノホロシ Solanum megacarpum。北海道では概ね全域に分布し、湿原とはいかないまでも、かなり湿った環境が好みの植物です。ナスとよく似た薄紫色の花は、鮮やかな黄色い披針形の葯を持つ5つの雄しべが糸状の花柱基部を取り囲む独特の形状で、その葯の先端に小さな孔が開くことで花粉が放出されます。果実は楕円形の小さな液果で真っ赤に熟し、草木が枯れ始める秋口には大変よく目立ちます。

オオマルバノホロシと同属で似たものとしてヤマホロシ S. japonense が北海道にも分布し、果実が球形及び葉は三角状狭卵形で (中裂片が特大の) 3裂する傾向があり見分けには苦労しませんが、オオマルバノホロシに比べてずっと少ない印象です。道外に分布するものでは、ヒヨドリジョウゴ S. lyratum の花色は白で果実が球形、マルバノホロシ S. maximowiczii は花色が薄紫色で果実は球形という違いがあります。

ところでオオマルバノホロシの“ホロシ”という名ですが、上述したヒヨドリジョウゴの古い呼び名としてホロシという言葉が平安時代の書物に見られ、このオオマルバノホロシやヤマホロシなどの和名の由来ではないか、という説があるようです。余談ですが、この“ホロシ”を漢字表記する場合、保呂之や白英、桯など文献で異なっており、各々の由来が個人的に興味をそそります。さらに余談ですが、このオオマルバノホロシに限らず“マルバ”という和名を含む植物の漢字表記を「丸葉」と記述している文献などを多く目にしますが、「円」は2次元、「丸」は3次元の意味を内包していることから、マルバは葉の平面的な形状に対しての意味合いと解釈し「円葉」を当て、マルミ (例えばマルミノウルシ Euphorbia ebracteolata など) では果実の球形に対しての意味合いと解釈し「丸実」と当てるべきではないか…と思うのですが。

【 参考文献 】

畔上能力・菱山忠三郎・西田尚道 (2013)『増補改訂新版 山に咲く花』門田裕一監修, p.409, 山と渓谷社.

Hinoma, A. 2001. FLORA OF HOKKAIDO - Distribution Maps of Vascular Plants in HOKKAIDO, JAPAN.
[ http://www.hinoma.com/maps/plants/m8822.gif ] (accessed October 23, 2016).

Ohwi, J. 1965. FLORA OF JAPAN in English: 790.

奥山春季 (1936)「まるばのほろし及其近似種ノ學名考」植物研究雑誌 12(1), pp.62-65, ツムラ.

高橋勝雄 (2007)『山渓名前図鑑 野草の名前 夏』p.66, 山と渓谷社.

梅沢俊 (2012)『新北海道の花』p.306, 北海道大学出版会.

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