Last updated on December 10, 2016
Lobelia sessilifolia Lamb.
湿地やそれに準ずる環境で見られるサワギキョウ
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Bibai City in Early September, 2013
高さ50〜100cmほど…周囲の演出担当はミカヅキグサ
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Bibai City in Mid August, 2015
生育状況によっては100cmを超えることも
Canon EOS7D + EF300mm F4L IS USM + EF1.4xII
Tomakomai City in Mid August, 2012
花は総状花序に多数つき下から咲き上がります
Canon EOS Kiss Digital + EF24-105mm F4L IS USM
Shinsennuma Mire in Mid August, 2006
短い小花便の先につく萼は5裂し裂片は錐のように鋭くとがります
Canon EOS5D + TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
Tomakomai City in Mid August, 2012
花冠は長さ2〜3cmの唇形で上唇は万歳するように2深裂&下唇は3中裂
Canon EOS7D + EF300mm F4L IS USM + EF1.4xII
Tomakomai City in Mid August, 2012
花柱は傘の取っ手のように先端が曲り合着した雄しべに囲まれています
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Bibai City in Mid August, 2015
雄性先熟はキキョウ科の特徴…これは花柱が伸びて雌性期へ移行中
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Bibai City in Mid August, 2015
果実は蒴果で倒卵形〜球形…結実率は悪くない印象を受けます
Canon EOS7D + EF300mm F4L IS USM + EF1.4xII
Tomakomai City in Mid August, 2012
葉は密に互生し概ね線状楕円形〜披針形で先がとがります
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Bibai City in Mid August, 2015
中には狭卵形と言えるほど幅の広い葉を持つものも
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Bibai City in Early September, 2013
葉柄はなく細鋸歯縁…これは芽出しの頃
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Bibai City in Mid May, 2015
キアゲハやマルハナバチなどに人気があります
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Bibai City in Early September, 2013
札幌市RL(2016) 留意(N)
【 参考文献 】
畔上能力・菱山忠三郎・西田尚道 (2013)『増補改訂新版 山に咲く花』門田裕一監修, p.491, 山と渓谷社.
Hinoma, A. 2005. FLORA OF HOKKAIDO - Distribution Maps of Vascular Plants in HOKKAIDO, JAPAN. [ http://www.hinoma.com/maps/plants/m9295.gif ] (accessed December 2, 2016).
Hong, D. Y. and T. G. Lammers. 2011. Flora of China 19: 561, [ http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=200022982 ] (accessed December 2, 2016).
辻井達一・橘ヒサ子編著 (2009)『北海道の湿原と植物』p.34, 北海道大学出版会.
梅沢俊 (2012)『新 北海道の花』p.300, 北海道大学出版会.
横溝正史 (1971)『悪魔の手毬唄』角川書店.
一面濃緑だった湿原に黄色や茶色が増え始め、初秋を感じさせる頃…似たような花色のコバギボウシ Hosta sieboldii と入れ替わるように、より鮮やかな青紫色の花を咲かせるサワギキョウ Lobelia sessilifolia が目立ち始めます。北海道では珍しくない種で、湿原はもちろん、湿潤な環境であれば道端に咲いていることも。
茎は分岐することなく、披針形の葉を密に互生させながら、すくっと立ち上がり、上部で総状につく花が一際目を引きます。同属のミゾカクシ L. chinensis と同様に上唇が2裂、下唇は3裂するという花冠は大変特徴的。ただ、キキョウ科の花に対して上唇・下唇と表現することは少し妙な感覚ですが、実際そう言った方がイメージはしやすいですね。訪花昆虫に対し、上唇で「ここにおいで」と両腕を広げつつ、下唇にはしっかり止まり場をお膳立てしているかのようです。
ロベリアという属名は園芸種としても著名で、その属名が由来であろうロベリンというアルカロイドを全草に含有する有毒植物であることも有名なら、横溝正史の金田一耕助シリーズ『悪魔の手毬唄』でサワギキョウが登場することも有名ですね。