Last updated on April 15, 2016
Codonopsis lanceolata (Siebold et Zucc.) Trautv.
和名の通り“つる”性なのであちこち絡みまくるツルニンジン
Canon EOS5D + TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
Sapporo City in August, 2009
2〜3mほど伸びる多年草とのこと
Canon EOS5D + EF50mm F1.4 USM
Mt. Toishi in August, 2014
長さ3cmほどの花が側柄の先で下向きに咲きます
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Sapporo City in September, 2015
花冠は径3cm前後で先が浅く5裂しています
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Mt. Toishi in August, 2014
ホオズキのような蕾の中ではすでに雄しべが花粉を出しています
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Sapporo City in August, 2013
雌雄異熟で初めは雄性期…まだ未熟な雌しべ柱頭に花粉が付着しています
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Sapporo City in September, 2015
柱頭に付着した花粉がなくなる頃に花柱の先が3裂し雌性期を迎えます
Canon EOS5D + TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
Sapporo City in August, 2009
5裂する大きな萼裂片がよく目立ちます
Canon EOS5D + TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
Sapporo City in August, 2009
葉は互生ですがまとまってつくので輪生しているように見えます
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Sapporo City in September, 2015
行き先なく垂れ下がった先端はこの後どうなるのだろう?
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Sapporo City in August, 2013
花の“臭い”に誘き寄せられるのかスズメバチが頻繁に訪花します…ご注意を
Canon EOS5D + TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
Sapporo City in August, 2009
【 参考文献 】
畔上能力・菱山忠三郎・西田尚道 (2013)『増補改訂新版 野に咲く花』林弥栄・門田裕一監修, p.508, 山と渓谷社.
Hinoma, A. 2007. FLORA OF HOKKAIDO - Distribution Maps of Vascular Plants in HOKKAIDO, JAPAN.
[ http://www.hinoma.com/maps/plants/m9288.gif ] (accessed April 13, 2016).
大阪府環境農林水産部 南河内農と緑の総合事務所 森林課 (2012)「ツルニンジンの花粉媒介者は…」(南河内の自然情報)
[ http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/15501/00124682/120918kiiro.pdf ] (参照2016-04-13).
梅沢俊 (2012)『新 北海道の花』p.221, 北海道大学出版会.
植物は子孫を残すため様々な戦略を持っていますが、このツルニンジンは雌雄異熟という作戦。
雄しべが花粉を出す時期と雌しべが受粉する時期をずらし、自家受粉を回避しようというもの。
蕾の中ではすでに雄しべが成熟し、未熟で閉じている雌しべの柱頭に花粉を付着させ準備完了。
やがて開花し、その雌しべ柱頭に付着した花粉を訪花昆虫の身にまとわせ、送紛を委託します。
その後、付着した自個体の花粉がなくなる頃に雌しべが成熟し、他個体の花粉を受け入れます。
このツルニンジンの花を覗くと、スズメバチが飛び出してくる場面にしばしば遭遇しますが、
花粉の運び役を担うのは、やはりケブカスズメバチ(本州以南はキイロスズメバチ)だそうです。