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Pedicularis yezoensis Maxim.
地味に日本固有種のエゾシオガマ
Canon EOS7D + EF50mm F1.4 USM
Mt. Higashinupukaushinupuri in Mid July, 2016
花は上部の葉腋につき1つずつ咲き上がっていきます
Canon EOS20D + TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
Mt. Shokanbetsudake in Mid July, 2009
花冠は斜めにねじれ上唇は細長い嘴状&下唇は幅が広く先がわずかに3浅裂
Canon EOS7D + TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
Mt. Apoidake in Mid August, 2012
上から見ると花は綺麗に渦を巻いていますね
Canon EOS20D + TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
Mt. Shokanbetsudake in Mid July, 2009
三角状披針形で重鋸歯縁の茎葉が互生しています
Canon EOS7D + EF300mm F4L IS USM + EF1.4xII
Mt. Apoidake in Mid August, 2012
至る所に短毛が多いコレは…変種ビロードエゾシオガマのタイプか?
Canon EOS20D + TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
Mt. Shokanbetsudake in Mid July, 2009
【 参考文献 】
藤井紀行 (2012)「日本産シオガマギク属(ハマウツボ科) その分子系統地理・分類学的研究」,『新しい植物分類学 II』日本植物分類学会監修, pp.220-229, 講談社.
Hara, H. 1937. Preliminary Report on the Flora of Southern Hidaka, Hokkaido(Yezo). XXI. THE BOTANICAL MAGAZINE 51: 635-642. doi.org/10.15281/jplantres1887.51.635
Hinoma, A. 2005. FLORA OF HOKKAIDO - Distribution Maps of Vascular Plants in HOKKAIDO, JAPAN. [ http://www.hinoma.com/maps/plants/m8910.gif ] (accessed August 26, 2016).
Ohwi, J. 1965. FLORA OF JAPAN in English: 808.
清水建美編著 (2014)『増補改訂新版 高山に咲く花』門田裕一監修, pp.328-329, 山と渓谷社.
梅沢俊 (2007)「北海道・草花の風景15 シオガマギクの仲間」faura 16, pp.50-53, ナチュラリー.
梅沢俊 (2009)『新版北海道の高山植物』p.60, 北海道新聞社.
梅沢俊 (2012)『新北海道の花』p.99, 北海道大学出版会.
ある程度の標高まで登ると、尾根の草地や低木林などでヒョロッとした姿を見せるエゾシオガマ Pedicularis yezoensis。和名に“エゾ”を冠しますが、本州中部以北の高山にも分布しています。北海道では南西に行くほど見かける機会は多い傾向が。花色が赤系の ヨツバシオガマ P. japonica やタカネシオガマ P. verticillata、黄色系の キバナシオガマ P. oederi など艶やかな種が多いシオガマギク属の中では、ややクリームがかった白系の花冠を持つエゾシオガマはいまいち地味な印象を拭えませんが、日本固有種なのです。
変種ビロードエゾシオガマ var. pubescens は至るところに短毛があり、特に茎の上部や萼に多いことが特徴ですが、短毛があるものはそれなりに見られ、どの程度をもってビロードエゾシオガマと判別するかが難しいところです。両極端のものを比べると明らかに違うが変異は連続している…という、よくあるパターンかもしれません。いずれにせよ、様々な産地で数多く見比べることが重要ですね。