Last updated on September 21, 2016
Geranium wilfordii Nakai
ゲンノショウコとよく似ているミツバフウロ
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Tomakomai City in Last August, 2016
茎の基部は這うように伸び上部はやや起き上がります
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Tomikawa - Hidaka Town in Last August, 2016
葉は和名が示す通り概ね3深裂で裂片の先はとがる傾向
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Tomikawa - Hidaka Town in Last August, 2016
茎下部の葉は5裂的なものも見受けられます
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Tomikawa - Hidaka Town in Last August, 2016
花は2つ咲きゲンノショウコと大きな違いはない気がします
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Tomikawa - Hidaka Town in Last August, 2016
花弁はあまり平開しない印象が…雄性先熟です
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Niikappu Town in Mid August, 2014
花柄には下向きの伏毛が密生し長い腺毛はみられないことが多い
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Tomikawa - Hidaka Town in Last August, 2016
萼片には長い腺毛を有するものも時折見かけます
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Tomakomai City in Last August, 2016
茎に長い腺毛はなく伏毛がまばらにある程度
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Tomakomai City in Last August, 2016
ゲンノショウコほどではありませんが見かける機会は多いかと
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Niikappu Town in Mid August, 2014
【 参考文献 】
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梅沢俊 (2001)『北海道 夏〜秋の花 絵とき検索表III』pp.44-45, エコ・ネットワーク.
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Xu, L. R. and C. Aedo. 2008. Flora of China 11: 14, [ http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=200012403 ] (accessed September 9, 2016).
ミツバフウロ Geranium wilfordii は同属の ゲンノショウコ G. thunbergii と全体的な印象が大変よく似ており、生育する環境も似通っています。北海道での分布は道北で少なく、その他の地域では普通に見られる種の一つです。場所によっては近接して見られることもありますが、完全に混じり合うことはなくパッチ状に棲み分けているようです。
和名の通りに3深裂する葉が特徴で、下部の葉は5裂するものがありゲンノショウコと紛らわしい…という記述をしばしば目にしますが、ゲンノショウコの葉は上部でも5裂する傾向が強く、裂片の先端はミツバフウロがとがり気味で、ゲンノショウコの方は優しい印象を受け、それらの特徴は下部の葉ほど差異が顕著です。そして最も大きな違いと考えられるのは、ミツバフウロにはゲンノショウコにみられるような長い腺毛がごく少ないことではないでしょうか。特に茎には、伏毛がまばらにある程度です。
ちなみにミツバフウロの中で、萼片および小花柄に長い腺毛がみられるものは変種タカオフウロ var. chinense とされますが、ミツバフウロのシノニム (別名) とする見解もあるようです。北海道でみられるミツバフウロも萼片などに長い腺毛を有するものがあり、さらにその腺毛の多寡は個体間で幅があると思われます。