Last updated on December 21, 2016

ミヤマトウバナ - 深山塔花

Clinopodium micranthum (Regel) H.Hara var. sachalinense (F.Schmidt) T.Yamaz. et Murata

ミヤマトウバナ全体

いつの間にか咲いているミヤマトウバナ

Canon EOS20D + TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
Sapporo City in Last July, 2009

ミヤマトウバナ全体

花序が数段輪生し塔のように伸びていくので“塔花”

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Shiraoi Town in Last September, 2013

ミヤマトウバナ全体

花序は茎頂だけではなく葉腋からもどんどん伸びていきます

Canon EOS5D + TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
Sapporo City in Early August, 2009

ミヤマトウバナ花

花冠は長さ5mmほどの2唇形で白〜うっすら紅色

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Shiraoi Town in Last September, 2013

ミヤマトウバナ花

萼には短毛がまばらに見られ苞葉は花柄より短め

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Shiraoi Town in Last September, 2013

ミヤマトウバナ近影

茎は四角&葉には柄があり対生します

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Ebetsu City in Mid July, 2014

ミヤマトウバナ群生

葉は長さ3〜6cmほどの狭卵形〜広卵形で粗い鋸歯縁

Canon EOS7D + COSINA Carl Zeiss Planar T* 1,4/50
Kitahiroshima City in Mid August, 2016

ミヤマトウバナ群生

林道や登山道脇で大きな群生を作っています

Canon EOS5D + TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
Sapporo City in Early September, 2009

深山塔花 - ミヤマトウバナ

- シソ科 トウバナ属 -

北海道で見られるトウバナ属 Clinopodium の中では最も目にする機会が多く、いわゆる普通種的存在のミヤマトウバナ C. micranthum var. sachalinense。林道や散策路、登山道脇の常連で、特にやや湿った環境で埋め尽くすように群生する姿は“お得意様なので顔パス”的な存在感で、「あれ?いつの間にか咲いてた…」というエキストラのような扱いを受ける植物…というのは個人的感想かもしれませんが、共感されるかも。

基準変種のイヌトウバナ C. micranthum var. micranthum は、花序がミヤマトウバナほど何段も輪生状にならず寸詰まりで、萼には開出する長毛が多い傾向がありますが、中間型も多く見られます。同属の クルマバナ C. chinense subsp. grandiflorum は全体が大柄で、花冠も2倍近く大きく、苞葉は花柄より長いという相違点があります。なお、過去に基準変種とされていたこともあるトウバナ C. gracile は北海道に分布しません。全体像はよく似ているのですが、トウバナの葉裏には目立つ腺点がある一方、ミヤマトウバナの腺点はあまり目立たないという違いがあるようです。

【 参考文献 】

畔上能力・菱山忠三郎・西田尚道 (2013)『増補改訂新版 山に咲く花』門田裕一監修, p.430, 山と渓谷社.

Hinoma, A. 2007. FLORA OF HOKKAIDO - Distribution Maps of Vascular Plants in HOKKAIDO, JAPAN.
[ http://www.hinoma.com/maps/plants/m8675.gif ] (accessed December 19, 2016).

Ohwi, J. 1965. FLORA OF JAPAN in English: 782.

梅沢俊 (2001)『北海道 夏〜秋の花 絵とき検索表 III』p.35, エコ・ネットワーク.

梅沢俊 (2012)『新北海道の花』p.110, 北海道大学出版会.

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