Last updated on December 2, 2016
Scutellaria strigillosa Hemsl.
浪が来る…ほどではないがやはり海の近くに多いナミキソウ
Canon EOS5D + EF24-105mm F4L IS USM
Betsukai Town in Early October, 2012
全体に軟毛があります…蕾がめんこい
Canon EOS5D + TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
Lake Saroma - Saroma Town in Mid July, 2010
上部の葉腋に2花が同じ向きで咲きます
Canon EOS5D + TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
Naganuma Town in Mid August, 2015
花冠は2唇形で上唇は兜状&下唇は平らで大きい
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Lake Saroma - Kitami City in Last September, 2013
花冠の長さは2.5cmあるかないか…基部で曲がり全体が上を向きます
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Tomikawa - Hidaka Town in Last August, 2016
花冠に比べて地味な萼も上下の2唇形に分かれています
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Lake Saroma - Kitami City in Last September, 2013
葉は対生し長楕円形で先端は円い…というのが標準形
Canon EOS5D + TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
Samani Town in Early September, 2012
葉先の形状についてはエゾナミキ S. yezoensis と中間的なものも…
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Naganuma Town in Last July, 2016
吸い込まれるような深みのある青い花が美しいのです
Canon EOS5D + TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
Lake Choubushi - Toyokoro Town in Mid July, 2011
【 参考文献 】
畔上能力・菱山忠三郎・西田尚道 (2013)『増補改訂新版 野に咲く花』林弥栄・門田裕一監修, p.467, 山と渓谷社.
Hinoma, A. 2005. FLORA OF HOKKAIDO - Distribution Maps of Vascular Plants in HOKKAIDO, JAPAN. [ http://www.hinoma.com/maps/plants/m8772.gif ] (accessed December 1, 2016).
Li, X. W. and I. C. Hedge. 1994. Flora of China 17: 100, [ http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=200020389 ] (accessed December 1, 2016).
梅沢俊 (2012)『新北海道の花』p.309, 北海道大学出版会.
梅沢俊 (2014)『新版北海道山の花図鑑 利尻島・礼文島』p.179, 北海道新聞社.
あたかも葛飾北斎が描く「浪」のような深みのある濃紺の中に、まさしく白浪のごとき白斑のアクセントを備える花冠が大変目を惹くナミキソウ Scutellaria strigillosa。ゆえに並木草…ではなく浪来草です。波来草と漢字表記する文献もあります。その名の通り、浪が来るような環境に生育する海浜植物ですが、内陸部で見られることも珍しくありません。特に古代では海があり、その後の海退により残存した砂丘など海岸に準ずるような環境では多く生育している印象があります。大きくても40cmあるかないか、全体像はいかにも小振りな“シソ科的”で、よく群生しています。
日本国内に分布するタツナミソウ属は多種ありますが、頂生の花序を作らないのはこのナミキソウとエゾナミキ S. yezoensis、ヒメナミキ S. dependens のみ。とは言え、そもそも北海道に分布するタツナミソウ属は3種2変種 (エゾナミキをナミキソウの変種とするなら2種3変種) しかありませんので、各種の見分けはそれほど苦労しません。ただし、全体が大きく葉先がとがり気味で、主に湿地で生育するとされるエゾナミキは、中間型と思えるものも多く見られ、ナミキソウの変種 var. yezoensis とする見解もあります。ちなみに北海道内において、頂生の花序を作るものは エゾタツナミソウ S. pekinensis var. ussuriensis とヤマタツナミソウ S. pekinensis var. transitra の2変種のみです。