Last updated on July 22, 2016
Circaea erubescens Franch. et Sav.
北海道では道北を除きほぼ満遍なく分布するタニタデ
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Shiraoi Town in August, 2013
全体的にほぼ無毛です
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Mt. Toishi in August, 2014
総状花序は葉腋から多数枝分かれすることが多い印象
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Kutchan Town in August, 2015
花は総状につき萼片・花弁・雄しべはそれぞれ2つ
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Kutchan Town in August, 2015
蕾は無毛&花弁の切れ込みはあっても長さの1/5〜1/10程度
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Mt. Toishi in August, 2014
果実は蒴果で鉤状毛があるのはミズタマソウ属の特徴
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Kutchan Town in August, 2015
葉は低い鋸歯があり被針形から卵形で基部は概ね円形から切形
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Mt. Toishi in August, 2014
地下茎でもよく増えるようで群生していることが多いですね
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Kutchan Town in August, 2015
登山道脇でもわんさか見られます
Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Mt. Toishi in August, 2014
【 参考文献 】
畔上能力・菱山忠三郎・西田尚道 (2013)『増補改訂新版 山に咲く花』門田裕一監修, p.304, 山と渓谷社.
Boufford, D. E. 1982. The Systematics and Evolution of Circaea (Onagraceae). Annals of the Missouri Botanical Garden 69(4): 804-994.
Boufford, D. E. 1982. The Genus Circaea (Onagraceae) in Japan. Acta Phytotaxonomica et Geobotanica 33: 28-40. doi.org/10.18942/bunruichiri.KJ00001079135
Boufford, D. E. 1987. Pollination Biology of Circaea (Onagraceae). Acta Phytotaxonomica et Geobotanica 38: 133-154. doi.org/10.18942/bunruichiri.KJ00002992247
Chen, J. and D. E. Boufford. 2007. Flora of China 13: 406, [ http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=200015081 ] (accessed July 10, 2016).
Hinoma, A. 2006. FLORA OF HOKKAIDO - Distribution Maps of Vascular Plants in HOKKAIDO, JAPAN. [ http://www.hinoma.com/maps/plants/m7816.gif ] (accessed July 13, 2016).
梅沢俊 (2001)『北海道 夏〜秋の花 絵とき検索表III』p.49, エコ・ネットワーク.
梅沢俊 (2012)『新北海道の花』p.135, 北海道大学出版会.
日本に自生しているミズタマソウ属は、基本的にタニタデ Circaea erubescens、ミヤマタニタデ C. alpina、ミズタマソウ C. mollis、ウシタキソウ C. cordata、エゾミズタマソウ C. canadensis subsp. quadrisulcata の4種1亜種 (外来種を除く)。北海道にはその全てが自生しています。その中でも、このタニタデは最も見かける機会が多いのではないかと。全体的に無毛で、花弁が他の4種ほど深く切れ込まないことなどが大きな特徴です。地下茎を豊富に伸ばし、群生する傾向があります。
ミズタマソウ属は多くの雑種を作ることが知られていますが、このタニタデに関係するものを挙げると、マルヤマタニタデ Circaea × mentiens (タニタデ × ミヤマタニタデ)、ミズタマタニタデ C. erubescens × C. mollis (タニタデ × ミズタマソウ)、オオタニタデ Circaea × dubia (タニタデ × ウシタキソウ)、タニタデモドキ Circaea × decipiens (タニタデ × エゾミズタマソウ) という4つの交雑種が報告されています。つまりタニタデは、北海道に自生する他のミズタマソウ属4種全てと雑種を形成するということですね。これら雑種は主に親植物同士が重なる分布域で見られ、やはり栄養繁殖により群生することが多いようです。形態は完全に両親の中間型で、種子や花粉は高い確率で不稔とのこと。開花後しばらくすると子房は退化して花序の軸だけが残る姿は、雑種であることを示す良い目印になります。