Last updated on December 1, 2016

ヤマハハコ - 山母子

Anaphalis margaritacea (L.) Benth. et Hook.f. var. margaritacea

ヤマハハコ群生

夏山シーズン終盤の登山道では大変おなじみのヤマハハコ

Canon EOS5D + TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
Mt. Yubaridake in Last August, 2012

ヤマハハコ群生

山地だけではなく低標高地にも多く生育していますよ

Canon EOS M + EF-M22mm F2 STM
Tomakomai City in Last September, 2015

ヤマハハコ花

白い花弁状の総苞片がまるでガラス繊維のように美しいのです

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Eniwa City in Last August, 2016

ヤマハハコ花

頭花は筒状花のみで構成され雌雄異株…これは雄花

Canon EOS5D + TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
Mt. Taisetsu - Akadake in Mid August, 2009

ヤマハハコ花

散房花序の中心はすでに果実期を迎えつつありますがこれは雌花

Canon EOS5D + TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
Mt. Yubaridake in Last August, 2012

ヤマハハコ全体

花弁のような白い総苞片は積雪期まで残ることも

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Mt. Kamuinupuri - Noboribetsu City in Mid October, 2014

ヤマハハコ葉

葉は若干厚く幅1〜1.5cmほどの狭披針形で縁は下に捲れる傾向

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Eniwa City in Last August, 2016

ヤマハハコ全体

茎や葉には灰白色の毛が密生することが多いのですが…

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Eniwa City in Last August, 2016

ヤマハハコ全体

…ほぼ無毛に見えるものも少なくありません

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Eniwa City in Last August, 2016

ヤマハハコ群生

地下茎でも増えるのである程度群生することが多いですね

Canon EOS5D + EF50mm F1.4 USM
Mt. Taisetsu - Akadake in Last August, 2014

ヤマハハコ全体

種子が上流から流されてきたのか湖岸で見かけることも

Canon EOS5D + EF24-105mm F4L IS USM
Lake Shikaribetsu - Shikaoi Town in Mid August, 2012

山母子 - ヤマハハコ

- キク科 ヤマハハコ属 -

私事なのですが…今まで撮り貯めてきた、所謂普通種とされる植物の写真を見返す機会が訪れた時、「えーっ?この程度の写真しか撮っていなかったのか?」というがっかり感を味わうことが度々あります。そんな前例に漏れず、このヤマハハコを撮った写真を今回見返すとその失望感はとても大きく、いかに植物を不得要領のまま見ているかを思い知ると共に、適時にアウトプットすることで対象種に対する自己の認識度合いを見定める大切さを痛感しました。来たるシーズンではヤマハハコをしっかり観て撮るという課題が一つ追加…

…という堅苦しい言い訳はさておき、北海道では低山から高山まで、夏山シーズン終盤の登山道脇では常連中の常連ヤマハハコ Anaphalis margaritacea var. margaritacea。北海道では低標高で生育している姿も珍しくありません。北米から極東、東アジア、東南アジアまで広く分布し、ヨーロッパでは帰化しているとか。雌雄異株の多年草で、地下茎でも増えるため群生していることが多い印象です。種小名の margaritacea はラテン語で「真珠のような」という意味で、花を真珠に見立てた命名でしょうか。変種 カワラハハコ A. margaritacea var. yedoensis は葉の幅が2mm程度とされますが、北海道のものはもう少し幅が広い傾向で、ヤマハハコとの境界線はかなり微妙で曖昧です。

ところで、ヤマハハコは葉や茎が灰白色の毛で覆われていることが多いとされますが、無毛と言えるものも同様に多く見かけます。これは生長するに従って毛が脱落していくものなのか、生育環境における日照の強弱が関係しているのか、それとも単純に個体差なのか…もしご存知の方がいましたら、ぜひご教示くださいませ。

【 参考文献 】

畔上能力・菱山忠三郎・西田尚道 (2013)『増補改訂新版 山に咲く花』門田裕一監修, p.521, 山と渓谷社.

Hinoma, A. 2001. FLORA OF HOKKAIDO - Distribution Maps of Vascular Plants in HOKKAIDO, JAPAN. [ http://www.hinoma.com/maps/plants/m9351pa.gif ] (accessed November 30, 2016).

五十嵐博・今村敏明 (2015)「山の草花 スケッチ散歩 16」モーリー 41, pp.46-47, 北海道新聞野生生物基金.

北村四郎 (1961)「日本菊科植物誌補遺訂正」植物分類・地理 19(1), pp.12-17, 日本植物分類学会. doi.org/10.18942/bunruichiri.KJ00001077868

梅沢俊 (2009)『新版北海道の高山植物』p.14, 北海道新聞社.

Zhu, S. and R. J. Bayer. 2011. Flora of China 20-21: 796, [ http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=200023111 ] (accessed November 30, 2016).

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