Last updated on July 1, 2016

エゾノヨロイグサ - 蝦夷鎧草

Angelica sachalinensis Maxim. var. sachalinensis

エゾノヨロイグサ全体

海沿いでも山間でも見かけるエゾノヨロイグサ

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Shiraoi Town in Early August, 2013

エゾノヨロイグサ全体

エゾニュウに比べると茎が細くやや半球形の複散形花序が多数

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Shiraoi Town in Early August, 2013

エゾノヨロイグサ花

花序には総苞片も小総苞片もなく小花は径3mmほどで花弁は5枚

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Shiraoi Town in Early August, 2013

エゾノヨロイグサ葉

葉は2〜3回羽状複葉で小葉は厚みがあり鋭い鋸歯縁で先がとがります

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Shiraoi Town in Early August, 2013

エゾノヨロイグサ全体

とにかくでかい…環境によっては2mを越えるものも

Canon EOS7D + EF100mm F2.8L MACRO IS USM
Tomakomai City in Mid July, 2015

蝦夷鎧草 - エゾノヨロイグサ

- セリ科 シシウド属 -

北海道に分布するセリ科の中で、文字通りの“白い三大巨塔”を挙げるならば、このエゾヨロイグサ Angelica sachalinensis var. sachalinensisエゾニュウ A. ursina、そして アマニュウ A. edulis だろう…というのは個人的感想ですが、賛同を得られるのではないかと。いずれも全道各地の海岸草原から山間まで広く見られ、似通っている点も多いですね。

エゾノヨロイグサの全体像はアマニュウに似ていますが、丸っこいアマニュウの小葉に比べエゾノヨロイグサの小葉はずっとスリムなので、葉を見比べれば違いは一目瞭然。一方エゾニュウは葉がエゾノヨロイグサと似ている印象もありますが、裂片同士が繋がる傾向のあること、そして何より茎が太く全体がどっしりして威圧感満載です。

なお、他に変種として利尻島に分布するホソバノヨロイグサ var. kawakamii、青森県から石川県までの主に本州日本海側に分布するミチノクヨロイグサ var. glabraがあり、さらにエゾノヨロイグサの品種として北海道と栃木県に分布するケエゾノヨロイグサ f. pubescens、京都府や岡山県および鳥取県に分布するサンインヨロイグサ f. saninensis などが認められているようです。

【 参考文献 】

畔上能力・菱山忠三郎・西田尚道 (2013)『増補改訂新版 山に咲く花』門田裕一監修, p.474, 山と渓谷社.

Hinoma, A. 2007. FLORA OF HOKKAIDO - Distribution Maps of Vascular Plants in HOKKAIDO, JAPAN.
[ http://www.hinoma.com/maps/plants/m7907.gif ] (accessed June 22, 2016).

梅沢俊 (2001)『北海道 夏〜秋の花 絵とき検索表III』pp.40-41, エコ・ネットワーク.

梅沢俊 (2012)『新北海道の花』p.123, 北海道大学出版会.

梅沢俊 (2014)『北海道山の花図鑑 利尻島・礼文島』p.123, 北海道新聞社.

山崎敬 (1986)「日本におけるエゾノヨロイグサの変異」植物研究雑誌 61(8), pp.238-245, ツムラ.

山崎敬 (1989)「日本におけるヨロイグサ、エゾノヨロイグサ、シシウドについて」植物研究雑誌 64(3), pp.85-94, ツムラ.

Yamazaki, T. 2001. Umbelliferae in Japan III. The Journal of Japanese Botany 76(6): 307-320.

渡辺修 (2007)「知床のセリ科図鑑」,『しれとこライブラリー7 知床の植物II』斜里町立知床博物館編, pp.184-199, 北海道新聞社.

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